ブログ 町の法律日記

土地の表示登記とは?

土地の表示登記の種類

皆さん、こんにちは。
司法書士 土地家屋調査士 行政書士 おがわ町総合法務事務所の達脇です。
今回は、当事務所の業務内容の紹介第9弾、「土地家屋調査士編」土地の表示登記についてご紹介します。

土地の表示登記の種類は、それ程多くなく、以下に列挙する6種類が主なものになります。
なお、以下の6種類の他にも、河川区域内の土地の登記や土地区画整理事業の登記といったものもありますが、これらは一般の方が申請人となる登記でないため、割愛します。
また、表示登記は、建物の表示登記と土地の表示登記に大別されますが、建物の表示登記については、その概要を前回紹介しましたので、そちらをご参照ください。

では、以下において、土地の表示登記の種類についてご紹介します。

(1)土地表題

未登記の土地がある場合、どこ(所在)に、何番(地番)の、どんな用途(地目)に供する、何平米(地積)の土地が存在することを明示する登記です。
しかし、基本的に、昔から存在しているのに未登記のままになっている土地というのはマイナーな存在と言えます。
この登記が必要となるのは、例えば地殻変動で海底が隆起し、新たな土地ができた場合等が考えられます。
ちなみに、土地の地目の表示内容は、勝手に決められる訳でなく、法定されている23種類に限られます。
宅地、鉱泉地、公衆用道路、田、畑、山林、保安林、原野、牧場、公園、墓地、境内地、池沼、ため池、運河用地、堤、水道用地、井溝(せいこう)、用悪水路、塩田、学校用地、鉄道用地、雑種地です。この中で、最も幅広く用いられる地目が「雑種地」で、いわば「etc.」的な扱いのものでして、例えば「駐車場」のように用途がはっきりしていても他の22種類に該当しないので「雑種地」となりますし、特に用途が定まっていない場合ももちろん「雑種地」になります。
なお、地積は、水平面上に投影したときの面積で表し(土地の表面積ではありません。)、基本的には小数第1位を切り捨てて、整数で平方メートルを単位として明示されますが、10平方メートル以下の場合は小数第2位(小数第3位は切捨て。)まで登記記録として明示されます。但し、宅地と鉱泉地については、例外的に、地積を問わず小数第2位(小数第3位は切捨て。)まで登記記録として明示されます。

(2)表題部変更・更正

土地の登記記録に変更が生じた場合や更正しなければならない場合に申請する登記です。

変更が生じる原因は様々で、例えば駐車場に建物を建てた場合には地目を「雑種地」から「宅地」に変更し、その土地の地積が10平方メートルを超える場合には地積を少数第2位まで明示する変更を行う等が挙げられます。

一方、更正とは、変更が生じている訳でなく、既に登記されている内容が、当該登記をした時点で錯誤により誤っていた場合に、それを正すことです。
そんなことがあるのか・・・と思われるかもしれませんが、更正登記の中でも地積の更正登記は、土地の表示登記の中でもポピュラーな登記の一つです。
なぜか?
それは、地積を測量する技術というのは日進月歩。かつて測量した時には、その当時の技術で一所懸命に正確に測量して地積を求めていたとしても、現在の測量技術をもって測量し直すと随分地積が違うじゃないか・・・ということがザラにあるからです。この地積更正登記は、多くの場合、次の(3)土地分筆登記をする際に必要となるのが一般的です。

(3)土地分筆

非常に需要がある登記であり、土地家屋調査士の花形登記なのが、この土地分筆登記です。

ある土地A(ex.地番:1番、地積:1000平方メートル)があったとします。広大なA土地には、その端300平方メートルくらいに建物があり、所有者aさんが住んでいます。aさんは、500平方メートルくらいの土地スペースが何にも利用できていないのはもったいないと考え、A土地を建物がある側の500平方メートルと、建物がない側の500平方メートルに分け、建物がない側の土地500平方メートルを売却したいと考えました。

土地を数える単位は、「筆(ふで)」と言い、上記のように1筆の土地を複数に分けることを「分筆(ぶんぴつ)」と言います。

という訳で、aさんは、A土地を2筆に分筆する登記を申請することとし、土地家屋調査士に依頼。登記が完了し、A土地は「地番:1番1」と「地番:1番2」に分筆され、aさんは1番2を売却できましたとさ、めでたし、めでたし、となります。

地番は、住居表示(いわゆる「住所」)と一致することもありますし、一致しないこともありますが、住所(自治体で管理)と地番(法務省で管理)が一致している場合、住所に「○○番地△△」とある枝番の「△△」は、上記のように分筆されてきた歴史の産物であると言えるのです。

(4)土地合筆

これは、上記(3)土地分筆登記と異なり、比較的マイナーな登記と言えます。
複数の土地(筆)を一つの土地(筆)にまとめる登記であり、例えば、それ程広くない複数の土地が存在するものの、その複数の土地を1つの囲障で張り巡らし、「1つの敷地」として利用している所有者さんがいた場合に、その所有者さんが、その複数の筆を外見も効用も一体として利用していることから、1筆にまとめたい!すっきりさせたい!!と考えた時に申請する・・・というケースが挙げられます。
合筆した場合、数字が大きい地番は消滅(欠番)となります。例えば、「1番」の土地と「2番」の土地を合筆した場合は「1番」のみが残り、「1番1」の土地と「1番2」の土地を合筆した場合は「1番1」のみが残ります。

なお、上記(3)土地分筆とこの土地合筆を一度に行う土地分合筆登記、というものもあります。

(5)表題部所有者の変更・更正

これは、激レアの登記と言えます。
なぜなら、通常、土地の表示登記がなされている場合の多くは権利の登記(所有権等)がなされており、所有者の住所・氏名等の変更・更正が発生した場合は、権利の登記(住所・氏名の変更・更正等登記)を行うことになるからです。

しかし、権利の登記が無く、表示登記のみがなされている状態で、表題部に登記されている所有者の住所や氏名等に変更があった場合は、その変更登記を申請する必要があり、登記されている内容そのものが最初から誤っていた場合には更正登記をすることになります。

(6)土地滅失

これまた激レアの登記ですが、登記されている土地が滅失してしまった時には、この登記をすることになります。

おわりに

今回は、土地の表示登記について説明しました。
表示登記は、建物の場合と同様、申請期限(1か月以内)がありますが、分筆や合筆の登記については、申請期限がありません。
いずれにせよ、表示登記が必要になった場合には、土地家屋調査士に相談なさることをお勧めします。

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