解決事例 複雑な事案でも安心

相続

成年後見制度

相続人の中に
認知症の方がいたら

相続発生時に、相続人の方の中にはご高齢である、または精神疾患等の理由により判断能力が不十分になっている方がいらっしゃるケースがあります。かかる場合には、相続手続の一環として、成年後見制度の併用も検討します。

実際の事例 ケース・スタディ

Aさん(ご高齢)は、姉のXさん(ご高齢)と共に一軒家で生活していました。
住んでいる一軒家の権利関係は、その土地も建物もAさんとXさんの共有になっており、姉妹で仲よく助け合いながらも互いの収入・支出・財産には干渉せず、悠々自適に暮らしていました。
そんなある日、Xさんが倒れ、そのままお亡くなりになりました。

AさんがXさんの葬儀を終えて暫く経ったある日、金融機関からXさんの定期預金に係る通知文書が届きました。Aさんは、その文書を持って当該金融機関に赴きXさんの当該定期預金を解約しようとしたのですが、金融機関の担当者から「これでは手続できません。」と断られ、なぜ手続ができないのか説明を受けても全く分からず、困惑していらっしゃいました。

実際の事例

当事務所による解決

Aさんには、軽い認知症と思われる症状が見られたため、成年後見制度用の診断書を取ってみたところ、補助(判断能力が不十分)相当であることが判明しました。AさんはXさんの相続手続を進めたいと強くお望みであり、当事務所の代表司法書士に補助人になってもらうことを希望なさいましたので、家庭裁判所に補助開始審判申立をなし、代表司法書士が補助人に選任されました。

補助人が調査した結果、Xさんの相続財産は住んでいた一軒家の他に高層マンションの一室(区分建物)、預貯金債権等、総額1億円超であることが判明し、相続人は兄弟姉妹、その養子、甥姪を合わせて20名以上いらっしゃいました。中には、Aさんより判断能力が低下し成年後見(事理弁識能力が無い常況)相当の相続人様もいらっしゃいましたが、補助人司法書士が当該成年後見開始申立も含めて全て相続手続を進めました。

結果、Aさんはこれまで住んでいた一軒家を確保すると共にマンションも売却できたことで多額の財産を相続し、その他の相続人様も法定相続分を確保した財産を相続できました。

チェック! 気をつけたいポイント

  • 判断能力が低下している可能性がある相続人様がいらっしゃる場合、そのまま共同相続人様の間で相続財産の分割方法を話し合っても(遺産分割協議)、徒に不利益を被る方が出るなどして、協議の有効性に疑義が生じる可能性があります。
    適正・円滑に手続を進めるために、成年後見制度の利用を検討しなければならないケースがあります。
  • 成年後見制度には、ご本人の残存能力をできるだけ活かせるように、判断能力に応じて成年後見、保佐、補助の3類型が用意されています(別途、任意後見等もあり)。どの類型を利用するかはご本人の権利をどの程度制限するか、という問題と直結しますので、相続のためであっても慎重さが求められます。
    Aさんの場合も、できるだけ従前の生活スタイルを変えずに済むように、補助類型かつ補助人に与える代理権等を必要最小限に止めました。
  • 成年後見制度を利用した場合、相続手続が完了しても成年後見人、保佐人、補助人はご本人が天寿を全うされるまでその職にあり続けます。ご本人にとっては一生の問題になりますので、誰が成年後見人等になるのかも含め、留意する必要があります。

解決事例一覧に戻る

CONTACT
お問合わせ

司法書士 土地家屋調査士 行政書士 おがわ町総合法務事務所へのお問合わせは、
電話、メールのいずれからでも受け付けております。
お気軽にどうぞ。