ブログ 町の法律日記

司法書士の債務整理業務とは?

「債務整理」は総称

皆さん、こんにちは。
司法書士 土地家屋調査士 行政書士 おがわ町総合法務事務所の所長、達脇です。
今回は、当事務所の業務内容の紹介第5弾、「司法書士業務編」債務整理についてご紹介します。

「債務整理」という単語を耳にした方は、それなりにいらっしゃるのではないかと思います。現在ではそれほどでもありませんが、一時期は、特にラジオCMや広告等でバンバン「債務整理」「過払金」といった単語が踊っていたからです。では、債務整理と過払い金は何が違うのかというと、何も違いません。ただ、いわゆる「過払金」は、債務整理に含まれていると言えます。「過払金」は、ある人が消費者金融等から借金をして、その契約に定められた利率が利息制限法で定められている上限利率を超えている場合に発生する可能性があります。借りた人は、返済すればする程、利息を払い過ぎることになりますから、長年にわたってお金を借りて、返して、また借りて、返して、場合によっては返済するために別のところから借金をして、返済して・・・と続けることで、あるタイミングで元金がゼロ(完済)になってもそのことに気づかず、さらに返済をし続ける結果、払い過ぎたお金、過払金が生じるのです。
上記の過払金返還請求手続の他、債務の返済が困難になった方から依頼があった場合、個々の事案に応じて任意整理、個人再生、破産等の手続を選択し、実行するのですが、それらの手続をまとめて「債務整理」と呼んでいます。

各選択肢を掻い摘んでご説明

司法書士の場合、過払いを含め、任意整理を司法書士法第3条第1項第6号、同第7号業務、いわゆる「簡裁訴訟代理業務 」の一環として対処し、個人再生、自己破産については同第4号・同第5号業務、いわゆる「裁判書類作成業務 」として業務に取り組んでいます。以下、個別に、簡単にご説明します。

任意整理(和解契約etc.)

まず、それなりに資力があるのですが、利息等の負担が重いために返済が困難になってしまっている方が対象となります。分割支払いの内容等を見直すことで借金を完済できる、という依頼者であれば、「任意整理」を選択することになるでしょう。消費者金融等の各債権者に対して、依頼者との取引履歴を開示するよう求め、開示された取引履歴(いつ、いくらのお金を借りた・返した等の経緯が明示されています。)を基に、利息制限法所定の法定利率に引き直して計算し、〝正しい”残債務額を出します。そして、依頼者の資力なら、その債務を毎月いくらずつ、どのくらいの期間で無理なく完済できるかを検討し、債権者との間で分割支払いの和解交渉をしたりすることになります。債務の一部免除を求めたり、利息を付けず元本だけを返済するようにしてください、とお願いしたり・・・まあ、いろいろと交渉して分割支払計画を作成し、和解契約の締結を試みる訳です。
なお、上記の引き直し計算をした結果、依頼者が債務の元本・利息を全て払い終わっており、それどころか債務が無くなっているのに払い過ぎてしまっている場合、逆に債権者から払い過ぎたお金(過払金)を返してもらうための交渉、過払金返還請求手続をします。交渉によって債権者が返還に応じない場合や、ごく一部の金額しか返還に応じようとしない場合には、裁判手続である過払金返還請求訴訟をすることになります。

個人再生(裁判手続)

上述の任意整理と同じく、それなりに資力があるのですが、方々から借金をし過ぎてしまったことで返済が滞ってしまった方が対象です。特に、住宅ローンを抱えているか否かが後述の破産を選択するか否かの分かれ道になることが多く、住宅ローンの負担が大きいけれど、何としても住宅を処分することなくそのまま残したい。が、他の借金の返済まで手が回らず、弁済できない・・・という場合に選択することが多いと言えます。住宅ローンについては期間延長を、その他の負債については大幅カットを目指す手続であり、地方裁判所に申立てをします。但し、申立てをする前の準備に結構時間がかかってしまうことが珍しくなく、申立てをしてからも、終結するまでに少々時間がかかります。

自己破産(裁判手続)

任意整理や個人再生と異なり、資力の無い人や、資力が多少あってもそれに比して債務が多額であり、到底完済することができないであろう方が対象になります。特に、資力が多少あるにも関わらず自己破産を選択する場合は、住宅等の不動産を持っていないことが決め手になったりします。不動産がある場合に破産すれば、その不動産を手放すことになるからです。しかも、今回は詳しく説明しませんが、まず管財事件になってしまうため、地方裁判所に自己破産申立てをする際、高額な予納金を支払う必要があり、なかなか申立てができなくなってしまいます(依頼者が予納金を支払える程度までお金を貯めるのに時間がかかってしまうため)。

他にも、奨学金の返済が滞っている等の問題も扱っていますので、ご相談事がございましたら、お気軽にお問合せください。

次回は、当事務所の「司法書士業務編」その6、成年後見業務について綴ります!

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