原状回復の義務
突然ですが、
「原状回復」という言葉を耳にしたことがある人は
多いと思います。
が、正しい文字を書ける人は案外少ないもので、
「現状回復」と書く人がいたり、
行政の方々だと「原状復帰」という言葉が使われたりします。
「原状回復」とは、読んで字のごとく
元の状態に戻すことを意味しますが、
例えば無効な法律行為があった場合に
上記の結果利益を得た人のその利益は
「不当利得」として扱われ、
旧民法時代は何でもかんでも
民法第703条及び第704条の範疇で
語られる傾向がありました。
そこで、令和2年4月1日から施行された改正民法で
無効な法律行為に係る原状回復規定が新設された訳ですが、
今回はそのことについて述べることにします。
「原状回復」という言葉を耳にしたことがある人は
多いと思います。
が、正しい文字を書ける人は案外少ないもので、
「現状回復」と書く人がいたり、
行政の方々だと「原状復帰」という言葉が使われたりします。
「原状回復」とは、読んで字のごとく
元の状態に戻すことを意味しますが、
例えば無効な法律行為があった場合に
上記の結果利益を得た人のその利益は
「不当利得」として扱われ、
旧民法時代は何でもかんでも
民法第703条及び第704条の範疇で
語られる傾向がありました。
そこで、令和2年4月1日から施行された改正民法で
無効な法律行為に係る原状回復規定が新設された訳ですが、
今回はそのことについて述べることにします。
大原則は、耳を揃えて返しなさい!
まず、無効な法律行為とは
どんなものがあるのか?
例えば、公序良俗に反する暴利が契約の内容になっているもの。
例えば、契約当事者の一方が法律行為の結果どうなるのか理解できない状態で結ばれた契約。
そんな場合は、その法律行為は初めから無効であり、効力を生じません。
改正民法第121条の2では、第1項で大原則として
無効な法律行為に基づいて何かを得た人は、得る原因がそもそも存在しないのですから、
そっくりそのまま相手方に返す義務(原状回復義務)がある、と規定しています。
当たり前といえば、当たり前ですね。
しかし、例外として2つの項(第2項と第3項)を設けています。
どんなものがあるのか?
例えば、公序良俗に反する暴利が契約の内容になっているもの。
例えば、契約当事者の一方が法律行為の結果どうなるのか理解できない状態で結ばれた契約。
そんな場合は、その法律行為は初めから無効であり、効力を生じません。
改正民法第121条の2では、第1項で大原則として
無効な法律行為に基づいて何かを得た人は、得る原因がそもそも存在しないのですから、
そっくりそのまま相手方に返す義務(原状回復義務)がある、と規定しています。
当たり前といえば、当たり前ですね。
しかし、例外として2つの項(第2項と第3項)を設けています。
知らなかったなら、現存利益で
例外規定の1つ目(第2項)を語る前に、
「無償行為」というもののご説明を。
無償行為というのは、一方だけが他方に対して利益を与えるようなもので、
例えばAさんがBさんに無償で物や金員をあげる贈与契約や
無償で物を貸す、例えば図書館での書籍の貸し借りといった使用貸借契約が挙げられます。
で、この無償行為が無効であった場合、
例えばAさんがBさんに自動車をあげる贈与契約が無効であった場合に、
Bさんが自動車を受贈(贈与を受けること)した当時その贈与が無効だと知らなかったときは
上記原則のように原状回復義務を負うのでなく
現存利益の返還義務を負う、と規定しているのが
第2項です。
「現存利益」とは、受けた利益(例えば自動車そのもの)が原形であれば原形、
多少毀損しているのであればその状態(利益)を指し、
「現に利益を受けている限度」と規定されています。
時が経てば利益を得た当時と姿かたちが異なるのは仕方ないので、
今の状態で返せばいい、ということになります。
但し、注意が必要です。
物であれば現存利益をイメージしやすいのですが
お金が利益になっている場合は
ちょっとややこしいです。
有名な判例から一例を挙げると
得た金員を以て生活費に充てたような場合、
その生活費は目に見える形のものに変わることも
目に見えない形に変わることもありますが、
どのような状態であれ全て「現存利益」に該当し、
生活費として費消した分も
現存利益として返還しなければなりませぬ。
が、ギャンブル等で費消した場合は
現存利益が無い、ということになってしまう・・・。
なんか納得いくような、いかないような話ではありますが
そうなっているのでございます。
「無償行為」というもののご説明を。
無償行為というのは、一方だけが他方に対して利益を与えるようなもので、
例えばAさんがBさんに無償で物や金員をあげる贈与契約や
無償で物を貸す、例えば図書館での書籍の貸し借りといった使用貸借契約が挙げられます。
で、この無償行為が無効であった場合、
例えばAさんがBさんに自動車をあげる贈与契約が無効であった場合に、
Bさんが自動車を受贈(贈与を受けること)した当時その贈与が無効だと知らなかったときは
上記原則のように原状回復義務を負うのでなく
現存利益の返還義務を負う、と規定しているのが
第2項です。
「現存利益」とは、受けた利益(例えば自動車そのもの)が原形であれば原形、
多少毀損しているのであればその状態(利益)を指し、
「現に利益を受けている限度」と規定されています。
時が経てば利益を得た当時と姿かたちが異なるのは仕方ないので、
今の状態で返せばいい、ということになります。
但し、注意が必要です。
物であれば現存利益をイメージしやすいのですが
お金が利益になっている場合は
ちょっとややこしいです。
有名な判例から一例を挙げると
得た金員を以て生活費に充てたような場合、
その生活費は目に見える形のものに変わることも
目に見えない形に変わることもありますが、
どのような状態であれ全て「現存利益」に該当し、
生活費として費消した分も
現存利益として返還しなければなりませぬ。
が、ギャンブル等で費消した場合は
現存利益が無い、ということになってしまう・・・。
なんか納得いくような、いかないような話ではありますが
そうなっているのでございます。
意思能力が無い等の場合は?
最後に、2つ目の例外規定(第3項)について。
第3項では、自己の行為の利益損失を判断できない、
つまり意思能力が無い人や制限行為能力者(成年被後見人等)が
契約をして利益を得た場合を規定しています。
上記の場合は、今までダラダラお話ししてきたことに拘わらず、
現存利益の範囲内で返還する義務を負うにとどまります。
今回は、このへんで。
第3項では、自己の行為の利益損失を判断できない、
つまり意思能力が無い人や制限行為能力者(成年被後見人等)が
契約をして利益を得た場合を規定しています。
上記の場合は、今までダラダラお話ししてきたことに拘わらず、
現存利益の範囲内で返還する義務を負うにとどまります。
今回は、このへんで。