ブログ 町の法律日記

どうなる?飲食料品の消費税

9月に臨時国会召集!

今年の初め、衆議院解散総選挙があり、
自由民主党が大勝してからはや半年・・・。

当時の同党の公約の中に、
「飲食料品は、2年間に限り消費税の対象としないことについて、
今後『国民会議』において、財源やスケジュールの在り方など、
実現に向けた検討を加速します。」
と公式HPにて公開されました。

あの頃は「物価高対策」と称してチームみらいを除くどの政党も
消費税減税、廃止等と謳い、
財源など実質的にそっちのけの公約が乱れ飛んでおりました。
増税を謳えば落選し、減税を謳えば当選する・・・
国民が舐められているのか、減税を歓迎する国民の声をマスコミが流すことで
国会議員さんたちが勘違いしているのか、
はたまた消費税減税が国民にとっての良策なのか。

実際のところは分かりませんが、
あの総選挙で自民党に投票した人の中には
もしかしたら上記公約「検討を加速する」との表現に
「さすが責任を負っている政党。減税すると言い切れないよね」
と信頼した人が含まれているかもしれません。
「検討した結果、減税なんてできません」という結論に至ったとしても
公約違反になりませんから、ね・・・。

が、首相は「悲願」だからなのか、
「民意を得た」ということで(?)消費税率を
2年間・飲食料品に限って1パーセントに引き下げる法案を通すべく
今月下旬から臨時国会を開くことになったのであります。
法案はそれだけじゃないですけど。

ちなみに「臨時国会」と言っていますが、
正式には「臨時会」であり、その召集の根拠は
日本国憲法「第4章 国会」中、第53条に規定されています。
(第53条)
「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。
いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、
内閣は、その召集を決定しなければならない。」

果たして飲食料品に限っての、2年間限定での
消費税1%への減税は効果があるのか、否か?

減税することに対する懸念

欧州なんかでも、過去に消費税減税を時限的に行った例があります。
しかし、消費税を下げたからといって「税込価格」がその分きっちり下がった訳ではなく、
「消費税を払わなくていいのなら」と利益率を上げるために税抜き価格を上げる企業もあり、
想定していた程の効果を得られなかった、という検証がなされた国もあります。

特に日本では、長く物価が上がらない時代を経験したために
物価を上げづらい事情があると思うんです。
でも一方で、物価高の中で最低賃金や給与を上げましょう!
という機運がある。

ならば減税のこの機会に価格転嫁して利益を増やさなきゃ、
と思うのは企業としては当然の判断とも思えますし、
それは決して非難されるようなものではないでしょう。

一方、物価高の一因になっている円安はどうなるかというと、
日本(シルバー大国)の財政は真っ赤々なのに減税しようとするのですから、
債権者からすると「お金を貸した相手方(老人)が自らの収入を減らそうとしている。
借金を返す気が(能力含め)あるのか?」
という風に見えてしまうかもしれない。
そうすると長期金利が上がり、減税して歳入が減るのに歳出が増える可能性がある(利回り上昇により)。

ウクライナ侵攻以来、円とドル・ユーロ等との政策金利差が拡大して円安が続いていますが、
日銀が政策金利を上げても上記の差はまだ大きく、円安トレンドは変わりません。
消費税減税を首相が会見で述べたのと機を一にして日米協調介入したのにトレンドは変わらず、
1USドル=約160円で推移しています。

このまま円安が進行すれば、日本はほとんどのものを輸入に頼っているので
さらに物価高が進行する恐れがあります。

2年経ったら消費税率を元に戻すと言っていますが
2年も経っちゃうとそれに慣れてしまうので「増税」と映る。
「増税」は古今東西を問わず不人気な政策ですから
選挙で大敗するかもしれない・・・だから増税しない!
となるかもしれない。

そうなれば、さらに財政悪化、長期金利上昇、さらに円安、物価高・・・
なんてことにならないかしら・・・という懸念があります。

上記のようなリスクがあるなかで、「2年間の減税」を断行するメリットとは?
ここは、よくよく国会議員の皆様に熟議していただきたいところです。
実は減税よりも、円高にシフトする政策こそが
物価高対策なのではないか?とか。

ちなみに私は、日本の実力的には
1USドル=100円を切っても不自然ではないレートだと思っているのですが。

「秋の臨時国会」。
衆議院は与党だけで3分の2を確保しているので
ほぼ与党の思うがままに法案が通ってしまう状況だけに、
けだし見ものでございます。

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